というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いた作品
黒は他の色を重ねることもできないし、薄めることも難しい色で扱いに困るものではないでしょうか。
でも、キレイな黒髪を表現したい! 黒い服をまとったキャラクターをカッコよく描きたい!
ですよね!
黒は上手に使うことができればとてもキャラクターを魅力的に見せることができる色です。
今回はそんな黒の使い方についてお伝えしていきます。
ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね!
目次
1.コピックの黒
コピックの黒は2種類あります。そして、グレー系のコピックを重ねることでも黒を表現することができます。
黒の表現をする時に使えるこの3通りの黒について順番にお伝えしていきます。
1-1.100 Black
100はわずかに青みがかった黒で、クールグレイ系と合います。
コピック発売当時は全71色だったのですが、そのコピックの中の1色です。(コピック公式サイト参照)
1-2.110 Special Black
110はすっきりとした墨黒でニュートラルグレー系と合います。黒らしい黒として1989年に追加されたそうです。(コピック公式サイト参照)
1-3.グレーの7〜10
グレーの明度が7以上のコピックも黒の表現として使えます。
コピックの1番右の数字は明度を表しています。
色の明るさの度合いのことです。白が1番明度が高く黒になるにつれて明度が下がっていき、黒で最も明度が低くなります。
コピックのグレーには、Cool Gray、Neutral Gray、Toner Gray、Warm Grayの4種類があります。
この4種類のグレーは色が濃くなるほど黒に近くなり違いが分からなくなります。
↓コピックの番号の見方についてはこちらの記事で
2.コピックで黒髪の塗り方
黒の使い所の代表例として黒髪の塗り方についてお伝えしていきます。
2-1.黒髪におすすめのコピック
黒髪を表現するのにおすすめのコピックはズバリ! Toner GrayとWarm Grayです。
どちらも残りの2種類のグレーに比べて少し温かみのある色合いが特徴です。
生きている人間の髪の毛なので無機質のような青みがかったグレーよりは、温かみのあるグレーの方が髪の毛の表現には合っていると思います。
2-2.黒髪を塗る時のコツ
黒として使えるのは明度7以上とお話ししましたが、髪の毛を塗る時は薄めのグレーから使っていきます。
濃いグレーから使ってしまうと真っ黒で重たい髪の毛になってしまうので、髪の軽さやツヤを出すために薄いグレーから塗ります。
今回は3、5、8の明度のグレーを使いました。
これはお好みで2でも6でも良いのですが、明度が1つ跳び以上になるように選びましょう! 2を1つ目の色に選ぶなら2、4、6など。
隣り合った明度のグレーを選ぶと色の変化が分かりづらくなります。
↓グレー系のコピックについてはこちらの記事で
2-3.実践! 黒髪を塗ってみよう
↓0番でハイライトを入れるところを塗っていきます。
↓T3で0番を塗ったところの上からなぞるように塗ってぼかします。
↓T3で0番を塗った部分から上半分を塗ります。
↓T5でT3を塗った上からT3部分も残すように塗り重ね、T3でぼかします。
↓T8でT5を塗った上からT5部分も残すように塗り重ね、T5でぼかします。
↓下半分も同様に0番でハイライト部分をぼかしてT3を塗っていきます。
↓下に向かってT3、T5、T8でグラデーションを作りながら塗っていきます。
左上の方から光が当たっている設定なので、耳の後ろの方が色が濃くなるように塗ります。
↓完成
3.コピックで黒い服の塗り方
次に黒の使い所の代表例として黒い服の塗り方についてお伝えしていきます。
3-1.黒い服のおすすめのコピック
こちらもグレー系の色を重ねて塗るのが基本です。
服の色はイラストの雰囲気に合わせて4種類のグレーからどれでも良いです。
ただし、複数のグレーを混ぜて使うことはおすすめしません。
グラデーションが作りにくくなり、ムラに見えてしまいます。
4種類のグレーのうちどれか1種類だけを選びましょう。
そして明度は3〜8の中から1つ以上跳びで選ぶのがおすすめです。
3-2.黒い服を塗る時のコツ
黒い服を塗る際のポイントは黒に近いグレーの面積を広く塗ることです。
薄めのグレーを広く塗ってしまうと灰色の服に見えてしまうので注意が必要です。
また、いきなり濃いグレーを塗ってしまうと後から調整ができなくなってしまうので、薄めのグレーから塗り少しずつ濃いグレーを足していきましょう
3-3.実践! 黒い服を塗ってみよう
↓N5で全体を2回塗ります。
↓先に上半身を仕上げます。N7で背中側と下の方を重ね塗りしてN5でぼかします。
↓次に下半身仕上げます。N7でスカートのひだを表現しながらN5でぼかします。
↓完成
↓完成イラスト
*音が出ます。
4.コピック100、110の使い所
ここまで読んで
あれ? コピックの黒、100と110は使わないの?
と思った方もいると思います。
コピックの色選びでは初めは薄い色を選ぶことをおすすめしているのですが、それは薄い色の方が重ね塗りをすることで色を濃くしていくことができるし、混色もしやすいためです。
いきなり濃い色を選んでしまうと失敗しやすいです。
特に黒は最も明度が低く重ね塗りもぼかしも難しいために、失敗しやすいのです。
唯一の使い所は黒でベタ塗りをしたい時だけだと思います。
画風によってはあえて色の濃淡をつけずにベタ塗りをする場合があります。
そのような時は100、110は使えます。
↓コピック初心者さんでも安心の色選びについての記事はこちら
まとめ
今回は髪と服を例にあげて黒の使い方についてお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか。
黒は他にも小物であったり、花の色であったりと様々な場面で使えるかと思います。
そして上手く使えたらイラストを引き立ててくれる素敵なアイテムになります!
その際には今回の記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
ではまた別の記事でお会いしましょう。
↓人の肌の塗り方についての記事はこちら