というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いたイラスト
漫画のようなモノクロイラストってカッコよくて憧れますよね。
でもそれをトーンを使わずに画材だけで表現するのは意外と難しかったりします。
柄のあるトーンと違ってただのペタッとしたグレーや黒だけで表現しなくてはいけないので、単調になってしまい何が描きたかったイラストなのか分かりづらくなってしまいがちです。
モノクロイラストは色選びが重要です。
ではコピックで描くモノクロイラストの世界へLet`s Go!
ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
目次
1.モノクロイラストを描く前に
1-1.カラーイラストを描いてみよう!
モノクロのイラストを描く前にそのイラストのカラーバージョンを作ってみましょう!
慣れてきたらカラーイラストはイメージだけで良いかもしれませんが、慣れないうちはカラーバージョンのイラストを最初に描いておきましょう。
同じイラストのモノクロバージョンとカラーバージョン2枚を描くことになるので面倒に感じるかもしれません。
しかし、軽くでもカラーイメージを視覚化しておくとモノクロイラストを塗る時に色選びに迷わなくてもよくなりますし、失敗する確率も減らすことができます。
結果早くてクオリティの高いモノクロイラストを描くことができます。
カラーイラストはできればモノクロイラストを塗る時と同じ画材を使うことをおすすめしますが(この場合はコピック)どうしても時間がない、面倒、という場合はイラストソフトの塗りつぶしツールを使っても良いです。
1-2.モノクロ変換してみる
カラーイラストを描いたらそのイラストをモノクロに変換してみましょう!
コピー機で白黒コピーをしたり、パソコンなどに取り込んで画面上で白黒に変換することもできます。
↓カラーイラストをスキャナーで取り込み、モノクロにしたもの。
こうすることで、モノクロにした時の全体の色味を知ることができます。
黄色で塗ったところがモノクロになったことでどのような色味になったか、グラデーションをかけたところはどうか…などじっくりカラーイラストと見比べてみましょう!
1-3.漫画を参考にしてみる
モノクロのイラスト表現といえば漫画です。好きな漫画の本編とカラーイラストを見比べて、作家さんがどのようにモノクロのキャラクターに色をつけているのか学ぶことができます。
モノクロのイラストを描く時の参考になるので日頃から意識して漫画を見てみると面白いです。
2.モノクロイラストの色選び
2-1.モノクロイラストにおすすめの色
モノクロイラストを塗る時はグレー系のコピックを使います。
グレー系のコピックは全部で4種類あって、TonerGray、NeutralGray、CoolGray、WarmGrayがあります。
その中でモノクロイラストを塗る時におすすめしたいのがNeutralGray(以下Nと表記します)です。
Nは青みが強かったり、赤みが強かったりすることのない標準的なグレーなのでモノクロの印刷物と同じような色合いのイラストに仕上げることができます。
TonerGrayもコピートナー(印刷時に用紙に色をつけるための粉)をイメージして作られているコピックなので印刷物に近いかもしれませんが、少し赤みがかっているので個人的にはNがおすすめです。
しかし、コピックチャオにはNがなく、CoolGrayかWarmGrayの2種類なのでコピックチャオを使っている方はCoolGrayをおすすめします。
↓グレー系コピックについての詳しい記事はこちら
2-2.モノクロ変換したイラストを元に色を選ぼう!
カラーイラストをモノクロ変換したらそれを元に色を選んでみましょう!
1色ずついらない紙に試し塗りしながら選んでも良いですが、あらかじめカラーチャート(色見本)を用意しておくと色選びが早くなります。
基本はモノクロ変換したイラストに近い明度のグレーを選んでいくのですが、好みで少し濃いめや薄めの色を選ぶのもありです。
モノクロ変換したイラストは全体の明度のバランスを見るためのものなので、忠実である必要はありません。
同じようなグレーが隣り合ってイラストがぼやけてしまわないように、気をつけながら臨機応変に色を選んでいきましょう!
↓カラーチャートの作り方についての記事はこちら
2-3.モノクロイラストの線画の色
モノクロイラストの場合グレーと白と黒だけで表現するので線はハッキリとした黒がおすすめです。
あえて輪郭が曖昧なイラストを描きたい場合はグレーの線を選んでも良いかもしれません。
3.実践! モノクロイラストを塗ってみよう!
3-1.人物のイラスト
↓こちらの人物イラストをモノクロイラストにします。
カラーイラスト
モノクロイラスト
3-2.ひまわりのイラスト
↓こちらのひまわりのイラストをモノクロイラストにします。
カラーイラスト
モノクロイラスト
↓N1とN2で花びら1枚1枚グラデーションをかけながら塗っていきます。
↓中心部の薄いところをN1とN2で塗ります。
↓中心部の濃いところをN5で点々と塗ります。
↓完成!
3-3.リスのイラスト
↓こちらのリスのイラストをモノクロイラストにします。
カラーイラスト
モノクロイラスト
↓N1でリスの身体の薄いところを塗っていきます。
↓N5でリスの身体の濃いところを塗っていきます。
↓N0で耳と口の中を塗ります。
↓N1とN3でどんぐりを塗ります。
↓N1、N3、N7でグラデーションを作りながら目を塗ります。
↓コピックオペークホワイトで目のハイライトを入れます。(白のペンなら何でもOK!)
↓どんぐりを0番でぼかしながらN1、N3で影を塗ります。
↓0番でぼかしながらリスに影をつけていきます。
↓完成!
まとめ
今回はカラーイラストをモノクロイラストにする方法をご紹介してきました。いかがだったでしょうか?
完成した同じイラストのカラーバージョンとモノクロバージョンの2枚のイラストを並べてみるとまた面白い発見があると思います。
モノクロならではの表現や感じ方があるので、モノクロイラストは奥が深くて探求していくと楽しいですよ!
ではまた別の記事でお会いしましょう。
↓コピックの金属の塗り方についての記事はこちら