というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いた作品
金属の輝きが見事に表現されている絵ってつい見惚れてしまいますよね!
大丈夫! 少しのコツであなたも金属の輝きを表現することができるようになります。
そして身近な金属といえばステンレス製の食器だと思います。
今回はステンレス製の食器を例にして金属の塗り方についてお伝えしていきます。
ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね!
目次
1.金属の塗り方4つのポイント
1-1.ハイライト
金属はツヤツヤしていて鏡のように強く光を反射します。なので、白の部分をあえて大胆に残すようにしましょう。
そうすることでメリハリが効いてグッと金属らしい質感になります。
ハイライトは基本は白を残すように塗っても、後でコピックオペークホワイトなどで入れてもどちらでも良いのですが
今回はハイライト部分を大きくしたいので、紙の白を残してハイライトを表現します。
1-2.メリハリ
ハイライトを大きく残したら、反対に濃い部分は濃いめに塗りましょう。
金属は物が映り込んだりする影響で濃い部分ができます。
ハイライトの白と濃い部分に差をつけることで、メリハリができて金属らしい表現ができます。
1-3.映り込み
メリハリの部分でもお伝えしましたが、金属は鏡のように物が映り込みます。
金属の物だけ描く場合は映り込みを省略しても良いですが、お部屋など空間も一緒に描く時はお部屋にある他のものが映り込んでいるように描くとリアリティが増します。(省略してもOK!)
また、映り込みを利用して何かを暗示させるようなイラストにすることもできます。
1-4.グラデーション
グラデーションは自然物から人工物まで色んなものに応用ができる技法ですが、金属を塗るのにもとても役に立ちます。
金属はメリハリを大切に塗りましょうというお話しをしましたが、メリハリの中にもさらに微妙な色の変化をグラデーションで表現すると金属らしさが出てリアルな仕上がりになります。
↓グラデーション技法に関する詳しい記事はこちら
2.金属の塗り方 塗りはじめる前に
さあ、金属を塗ってみましょう! と言っても塗り方のポイントだけではどうやって塗りはじめたら良いか分からないですよね。
金属を塗りはじめる前にやっておくと良い準備があるのでそこについてお伝えします。
今回はスプーンを塗っていくので、ぜひお家にあるスプーンを用意して読み進めてみてくださいね!
2-1.観察
まずは観察です。これは他の物を塗る時にもお伝えしていることなのですが、とっても大事なことなので今回もお伝えします。
スプーンはすくう方を見ると顔が逆に映り、反対側を見ると正位置に映り込みます。(筆者も今知ってびっくりです)
くるくると回してみたり机に置いたりして、どんな風に光が当たるか映り込むかをじっくり観察してみてください。
実物を観察することでその物の性質や質感が分かります。
そのことがリアリティのあるイラストを描くことにつながります。
例え写実的な絵でなくてデフォルメをしたようなイラストを描く場合でも、ある程度の本物っぽさは必要だと思います。
その場合は本物っぽく見えるポイントをいくつかおさえて、省略するといった感じです。
2-2.色選び
色はグレー系を選びます。
コピックにグレー系の色はT(Toner Gray) 、N(Neutral Gray)、C(Cool Gray) 、W(Warm Gray)の4色があります。
より金属っぽいのはTまたはNなのでおすすめですが、お好みでどれでも良いと思います。
グレー系のコピックは薄い方から0〜10までそれぞれあります。
7以上だと黒に近くなるので0〜6の間の濃さの色を選ぶのがおすすめです。
また0と1とか5と6など1段階の違いの濃さの色を選んでしまうと似たような濃さになってしまってメリハリがつきにくいので2段階以上の差の濃さの色を選ぶと良いです。
2-3.鉛筆であたりをとっておく
色を塗る前に薄く塗るところと濃く塗るところを鉛筆で薄くあたりをとっておくと、塗る時に分かりやすいのでおすすめです。
ただし、鉛筆で描いた線の上からコピックで塗ってしまうと消しゴムで消せなくなってしまうので、薄く描くかなるべくコピックがかぶらないように塗りつつ消していくかなど工夫が必要です。
3.実践! 金属スプーンの塗り方
3-1.金属スプーンの塗り方のコツ
今回はスプーンを塗っていきます。
スプーンの塗り方のコツは丸みを意識することです。
すくう部分は丸みを帯びていて真ん中の方が深くなっています。
なので真ん中の方に光が当たりやすくふちの方が影になっています。
その影の部分を丸みのカーブを意識しながら塗っていきましょう!
また柄の部分は平面的に見えて少し厚みがあります。
しっかり濃淡のメリハリをつけて立体感を出しましょう。
3-2.金属スプーンを塗ってみよう!
ではスプーンを塗っていきます。
↓まずは鉛筆であたりをとります
↓スプーンのくぼみから柄のあたりまでハイライトを残しながらN0で塗っていきます。
↓柄の部分もハイライトを残しながらN0を塗ります。
↓次にN2をN0とグラデーションをかけながら塗ります。
↓柄の部分にもハイライトとN0で塗った部分を残しながらN2を塗っていきます。
↓柄のふちの部分をN2で塗ります。
↓完成!
*音が出ます
3-3.金属スプーンまとめ
スプーンの実物を見ると多方面からの映り込みで色んな色や濃さのグレーが入っているのですが、今回はあえてシンプルに2色でまとめました。
柄の部分は細く、コピックのインクは広がりやすいのではみ出さずに塗るのが難しいです。
さっ、さっと筆を軽く払うようにして塗っていくとはみ出さずに塗りやすくなります。
今回はコピー用紙を使いましたが、にじみにくい水彩紙を使っても良いかもと思いました。
↓コピックと相性の良い用紙についての記事はこちら
まとめ
ここまでスプーンを例にして金属の塗り方についてお話してきました。いかがだったでしょうか?
金属はアクセサリーや剣、武具など物語に登場するような色んなアイテムに使われているので、基本を覚えておくと応用ができて楽しいです。
ぜひ、色んな金属アイテムを描いてみてくださいね!
ではまた別の記事でお会いしましょう。
↓ガラスの塗り方に関する記事はこちら