というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いた作品
ガラスは透明だからといって何も塗らずにイラストを仕上げると食器やケースだと中身が宙に浮いて見えたり、窓ガラスだと窓が空いているように見えてしまいます。
ガラスは透明なようで完全には透明ではないんですね。
今回はそんなガラスの塗り方についてお話ししていきます。
ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね!
目次
1.ガラスの塗り方 塗る前に
1-1.ガラスは完全には透明ではない
ガラスは完全には透明ではありません。
のぞき込めば自分の顔が映りますし、光が反射して白い部分もあります。ガラスの反対側がゆがんで見えていることもあります。
窓ガラスとビンのガラスでも見え方が違います。
1-2.観察してみよう!
描きたい物の本物を観察してみることはとても大切なことです(身近にないような物なら写真でもok!)
よく知っているような物でも「これはこういう形でこういう色だから」と先入観だけで描いてしまうとなんだかその物らしくないようなイラストができてしまいます。
人間の記憶というものは案外、いい加減なものです。
では実際に観察してみましょう。
お家の窓ガラスを見ると自分の顔が映りますがどのように映っていますか?
食品などが入っていたビンがあれば中に物や液体を入れてみたり、ビンの反対側がどう見えるか良く観察してみましょう。
1-3.シンプルに考える
そして観察してみてこんな疑問が湧いたのではないでしょうか?
観察してみてお気づきかと思いますが、ガラスって結構複雑に見えます。
ガラスの反対側にある物のゆがみ方、ハイライトの入り方、反射して映り込んだもの…
見えてるけど、それらをどうやって塗ったら良いか分からないですよね!
しかし、ここで思い出していただきたいのは
私たちは静物画を描きたいわけではないということです。
イラストを描きたいので写真に忠実に塗っていく必要はありません。
ガラスの基本的な性質について知ってもらいたくて観察は大事ということをお伝えしました。
そのガラスの基本的な性質が、ガラスを塗っていく上で大切になる3つのポイントです。
次から詳しく説明していきます。
2.ガラスの塗り方 3つのポイント
2-1.反射
ガラスは光を反射します。
ガラスを観察した時に光が反射して白くなっているところが何ヶ所もあったと思います。
この白い部分を描くことでグッとガラスっぽくなります。
ガラスを描いた絵には、ほぼ全てこの反射のハイライトが描かれています。
なので、ガラスを描く上では一番大事なポイントです。
例え暗闇の中でもわずかな光を反射して白っぽくなっている部分はあります。
また、周りにある物の色が反射して映っていることもあります。
2-2.映り込み
窓ガラスを見ると自分が映るようにガラスは周りの物が映り込みます。
窓ガラスでなくてもガラスのビンやコップには近くにある物が映っています。
この映り込みを描くことでちょっとリアルなガラスを表現することができます。
また、ガラスの映り込みにさりげなく意味のある物を入れることで何かを暗示させるような意味深なイラストにすることもできます。
2-3.屈折
ガラスの器に物や液体を入れるとその中身がゆがんでいるように見えます。
ガラスの反対側にある物にゆがみを加えて描くことで、ガラスの中に入っている物を表現することができます。
3.実践! ガラスを塗ってみよう
では実際にガラスを塗ってみましょう!
具体的にガラスのコップを選びました。
↓周りの影響を最小限にするためにコップの下に白い紙を敷きました。
描きはじめる前に
参考写真は用意しましたが、写真に忠実には描きません。
なぜかというとこれは静物画ではなくイラストだからです。
これから描くガラスのコップに入ったお茶は、メインのキャラクターありきの物です。
小物をあまりにリアルに描いてしまうとイラスト全体の雰囲気やキャラクターとちぐはぐになってしまいます。
またリアルに描くのは難しく、ある程度の練習と熟練が必要なので「初心者さん向けの楽しいお絵描きブログ」というこのブログのテーマから外れてしまうので
今回はかなりデフォルメ(簡略化)した表現でガラスのコップを塗っていきます。
ではいよいよ実践に入ります。
↓Y15で紅茶全体を塗ります。
↓YR24をふちの方から塗ります。
↓底の部分やふち、暗くなっている部分をE15で描きます。
↓W1でガラス部分のふちの方と取っ手の濃い部分を塗ります。
↓W3でコップの口と持ち手のW1を塗った部分を少し残しながらなぞるように塗ります。
↓W5で1番暗い部分をアクセントを入れるように描きます。
↓W1、W3、W5の順番でコップの手前の部分をふちから、真ん中の方は残して塗っていきます。
写真を見ているとつい描き込みたくなっちゃうのですが、あえて描きこまないようにシンプルに。
↓コピックオペークホワイトを薄くといて、筆でガラス部分のふちの方を塗ります。
↓強くハイライトの当たっている部分をコピックオペークホワイトで描きます。
↓ホワイトで線が薄くなってしまったので後で描き足します。
↓影を描きます。Y13で紙の上に落ちた光の反射を描いて後はW1で影全体を塗ります。
↓完成!
*音が出ます
↓コピックオペークホワイトについての基本的な知識はこちらの記事で
おまけ 線画を描くのが苦手な方へ
このブログを読んでくださっている皆さんの中には線画を描くのが苦手、特に人工物が苦手という方が多くいらっしゃるのではないかなと思ってお話しします。
コピックで色を塗りたいんだけど下書きしたりペン入れしたり、そういう工程が苦手で中々色塗りまでたどり着けないということが良くありませんか?
(SNSにイラストを投稿する場合は自分で撮った写真を使いましょう)
デジタルツールを使うのもありです!
もちろん「そんなことをしてたらいつまでたっても上手くならないよね?」
という意見もあってその通りだと思います。
でも、苦手なものを克服しようとしてイラストを描くこと自体が嫌になってしまうのならできるだけ楽して描ける方法を選んだ方が良いと思います。
前向きな気持ちで苦手を克服したい! と思った時に挑戦すれば良いと私は思います。
↓線画のプレゼント(ダウンロードして印刷して使ってください)こちらに色を塗ったものをSNSに投稿してもOKです!
https://animalcopic.com/wp-content/uploads/2024/06/ガラス 配布.jpg
まとめ
ガラスの塗り方についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?
今回はガラスのコップを描きましたが、ガラスを使った物はたくさんあります。
でも、基本的な考え方や大切なポイントは同じなので
良く観察して他のガラス製品にもぜひ挑戦してみてくださいね!
あなたのイラストライフが充実したものとなりますよう願っています。
ではまた別の記事でお会いしましょう。
↓コピックで宝石の塗り方についての記事はこちら