というわけでコピック作家のAtsumiです。
木は決まった形があるようでないものです。
自然のものなので、時間や季節によって姿が変わっていきます。
なので、つかみどころがなく
どう塗ったら良いのか分からない
という悩みにおちいりやすいのではないでしょうか?
でも大丈夫です!
ちょっとしたポイントをおさえればあなたの木が木らしくなっていきます。
ぜひ今回も最後まで楽しみながら実践してみてくださいね!
目次
1.木の塗り方 塗りはじめる前に
1-1.イメージ
まずはあなたが描きたい木をイメージしてみましょう!
と思われたかもしれませんが、要するに
その木はどんな環境に生えているかっていうことを想像してみて欲しいのです。
生えている場所は都会の公園ですか? それとも深い森の中? 時間帯は昼でしょうか夜でしょうか? 天気は? 季節はいつ?
こういった要素はとても大切です。
冒頭でもお話ししたように、木は自然のものです。
生えている場所や時間によって姿が変わります。
特に木が生えている時間と天気はしっかりとイメージしていただきたい部分です。
同じ形、大きさだとしても時間と天気で葉っぱや幹の色合いが大きく変わるからです。
昼間で青空が出ているような陽気なら葉っぱは明るく光り輝き、青空が反射して青みがかっています。
そうなると使う色は自然と黄緑色など明るい色になりますし、青空の反射を表現するのに青も使うでしょう。
一方、雨ならどうでしょう。
木の葉っぱも幹も重たく濡れています。想像してみてください。
使う色は深緑色といった暗い色になります。
晴れた日の夕方ならば西日に照らされて赤っぽい色味になります。
この時オレンジや赤といった色で木は表現できるでしょう。
こんな風に木が生えている環境をイメージすることでイラストの方向性が決まります。
逆にイメージがしっかり固まってないまま描きはじめてしまうと描いている途中で。
「そうだ夕方っぽくしよう!」とそれまで昼間っぽく塗っていたイラストに急に赤を足してしまったりして
ちぐはぐなイラストができてしまいます。
1-2.観察
イメージと同時に観察もとっても大事です。
イメージのお話しでもお伝えしましたが、木は自然のものです。
天気や時間帯によって色合いは変わります。
また、木の年齢や生えている環境によっては苔も生えています。
なので木は単純に茶色と緑色ではないのです。
それに一口に茶色、緑色といっても色んな茶色、緑色があります。
本物をよく観察せずに何となく茶色と緑色を選んでしまうと
何となく、人工物っぽい木ができてしまいます。
だから本物の木を見るのはとっても大事です!
今すぐに見に行くのが難しい場合は写真でも良いですが
ぜひ、外に出た時は意識して木を観察してみてください。
都会であっても外に出れば必ず街路樹や公園には木が植っているはずです。
1-3.色選び
イメージと観察をしっかりしたら次は木を塗るのに使う色を選んでいきましょう!
ここでポイントなのは
The緑色! The茶色! を選ばないことです
伝わりますか?(笑)
例えば子どもが使うような絵の具にある緑色や茶色を、チューブから出したまま混色もしないで使わない方が良いですよ! ということです。
別のものに例えると折り紙の緑色、茶色、とも言えます。
つまり緑色は原色に近い緑色。茶色は彩度が高めの茶色は木を塗るのに向いていないということです。
コピックで具体的な色番号を上げると(人によって色の見え方感じ方は違うのであくまで筆者の見え方です)G16、G17、G19あたりです。
全く使ってはいけないというわけではないのですが、大部分に使ってしまうと人工物っぽくなってしまうので一部分に少しだけにとどめておきましょう。
おすすめの色は葉っぱの緑色だと
黄色味がかった緑色や青みがかった緑色、薄めの緑色です。
コピックの具体的な番号はYG11~YG17、G02〜G07、G20〜G24、G40〜G46などです。
幹の部分のおすすめの色は
薄めの茶色、少し深めの茶色です。彩度が高い茶色はおすすめしません。
コピックでの具体的な色番号はE23〜E27、E42〜E47です。
まとめると木を塗るのに使う色は彩度をおさえたニュアンスカラーを選ぶと良いです。
↓コピック初心者さん向けの色選びに関する記事はこちら
2.木の塗り方 塗る時のポイント
木を塗る時には塗る順番と意識してもらいたいポイントがあります。
順番にお伝えしていきますね。
2-1.幹から塗る
まず木は葉っぱからではなく幹から塗りましょう!
木の顔とも言える葉っぱから塗りたくなる気持ちは分かるのですが…
筆者も先に葉っぱの方から塗って後でしまったと思いました。
それはなぜかというと
幹の手前に葉っぱがかかっている部分があるからです。
葉っぱから先に塗ってしまうとどうしても葉っぱの上に幹の色を塗ってしまう部分が出てきて、葉っぱの色が幹の色につぶされてしまうのです!
なので、木を塗る時は幹から塗るようにしましょう。
幹の上に葉っぱがかかっているように塗ることができるとより自然でキレイな木を表現することができます。
2-2.下から上に、真ん中から外へ塗る
もう一つの塗る順番のポイントとしては
葉っぱの部分は下から上に、真ん中から外に広がっていくように塗るということです。
幹は塗りやすい方向から塗っても問題ないと思います。
なぜ葉っぱは下から上に、真ん中から外に塗った方が良いのか
葉っぱの部分は下と真ん中の部分は影の表現のため色を濃くするので、密になります。
なので、密に色を塗る下と真ん中の方から塗った方がバランスがとりやすいです。
(下と真ん中から塗った方がバランスがとりやすいというのは筆者の感覚なので、逆の方がやりやすいという方はご自身の感覚を優先してください)
2-3.質感を意識して塗る
そして最後に意識して欲しいポイントです!
木の質感を大切にして塗りましょう!
質感というと難しく感じてしまうかもしれませんが、葉っぱ葉っぱらしく幹は幹らしく塗るということです。
木の葉っぱの部分は小さい葉の集合なのでそう見えるように点々をたくさん重ねて塗っていきます。
幹の部分はゴツゴツしているので縦に線を引くように塗ります。
例えば葉っぱも幹も同じようにムラなく塗ると人工物っぽくなってしまいます。
特に自然のものを描く時は本物らしく見せるために質感を意識することが大切です。
↓コピックでの水彩風に塗るコツに関する記事はこちら
3.実践!木を塗ってみよう!
では実際に木を塗っていきたいと思います。
今回は晴れた青空の元に立つ公園の木という設定で塗っていきます。
幹の部分:E44、G05
↓幹の下の方から縦方向にE44を塗っていきます。
↓ブラシニブからブロードニブに切り替えて下からガシガシと塗っていきます。
↓再びブラシニブに切り替えてE44を線を描くように塗り重ねます。
↓影になっているところも塗り重ねます。
↓影になっているところにG05を重ねます。
↓さらにG05を塗った上からE44を塗ります。幹完成!
↓B02で葉っぱ部分の影になっている部分を下と真ん中を中心に塗っていきます。
↓次にB02を塗ったところにかぶるようにYG11を全体的に塗ります。
↓G05を影で濃くなっている部分を下と真ん中あたりを中心に塗っていきます。
↓後は全体を見ながら、B02、YG11を重ねていきます。
↓最後にはみ出した部分を0番で修正します。
↓完成!
*音がでます。
↓コピック0番を使った修正方法についてはこちらの記事で。
まとめ
今回は木の塗り方についてお伝えしてきました。いかがだったでしょうか。
もちろん今回紹介した塗り方が全てではありませんし、木には本当にたくさんの種類があります。
針葉樹、紅葉樹、花が咲いている時もあります。
ぜひ本物の木をよく観察してイラストを楽しんでみてくださいね!
あなたのイラスト生活が充実したものになりますよう願っています。
では他の記事でお会いしましょう。
↓コピックでの背景の塗り方についての記事はこちら