コピックは水性じゃなくてアルコール性だから水彩風なんて…
コピックは発色の良さが特徴で色鮮やかなイラストを描くことができますが、一方で水彩風の淡い雰囲気のイラストも描くことができます。
コピックって奥が深いんです!
では今回はコピックでふんわり水彩風のイラストを描いていく方法をお伝えします。
ぜひ最後まで楽しんでいってください。
目次
1.水彩風とは
水彩風…水彩らしさとは何でしょう?
それが分からなければ水彩っぽくイラストを描くことはできませんね。
おそらく多くの人は淡い色彩、綺麗な色の混ざり合い、画用紙に塗った時に残る紙の質感といったことを思い浮かべるのではないでしょうか?
そもそも水彩風という言葉が使われるようになったのは水彩画を水彩絵の具以外の画材で描こうとする人が増えたからです。
その水彩絵の具以外の画材とは主にデジタルのペイントソフトのことです。
水彩風とは何かを考えるにあたってペイントソフトの水彩ツールの特徴が大きなヒントになります。
ここでは多くのデジタルイラスト絵師の人が使っているClipStudioPaintを例に取って水彩風とは何かについて考えていきます。
今回は詳しいツールの説明は割愛しますが、おおざっぱにClipStudioPaintの水彩ツールはこんな感じです。
筆の入り抜きで色が薄くなる感じやにじみが表現できるように作られているのがわかります。全体的に色は淡く出ます。
色の混ざり方も溶け合うように綺麗です。
他にも様々な視点があるかと思いますがこういったことからここでは水彩風の定義を
・淡い色味
・にじみ
・綺麗な混色
とします。
それではそれを踏まえて水彩風のイラストを描いていきたいと思います。
2.コピックで水彩風の塗り方の用紙選び
実際の水彩では主に画用紙に描きます。
ですが、コピックは水性ではなくアルコール性のペンなのでそれがそのまま当てはまるというわけではありません。
そこで先ほどお伝えした水彩風の定義を元にコピックでの水彩風の塗り方に合うと予測した用紙を3つ選んでみました。
・コピー用紙
・クロッキー用紙
・スケッチブック
水彩らしいにじみがでるか→にじみやすい紙かどうかを基準に選びました。
この3つの用紙に3つ葉のクローバーをそれぞれ描いてみました。
使ったコピックはY00(黄色)、YG05(緑)です。
↓コピー用紙
YG05をY00でぼかすように塗りました。YG05が主役になりつつも淡くY00と混ざり合って水彩のような風合いを出すことができました。
黄色の鮮やかさも残っています。
コピー用紙は1番手に入りやすい紙の代表です。その点でもおすすめの用紙と言えます。
↓クロッキー用紙
こちらも淡くY00とYG05が綺麗になじんでいます。ただし色の鮮やかさはコピー用紙に劣ります。
↓スケッチブック
YG05の緑が濃く出て、Y00の黄色が上の2枚に比べて弱くなりました。
スケッチブックは画用紙のような紙で色が染み込みやすく、にじみや混色はコピー用紙、クロッキー用紙に比べてしにくいです。
3.コピックで水彩風に塗るための線画作り
水彩風のイラストを描くには線画にも意識が必要です。
コピックイラストには基本、コピックマルチライナーという細いサインペンのようなペンが最適ですが、水彩風のイラストを描く場合はそうではありません。
水彩画って輪郭線が主張してないものが多いですよね。
↓コピックマルチライナーを使うと良くも悪くも輪郭線がはっきりします。
水彩画の下絵は主に鉛筆が使われます、水彩風のイラストをコピックで描く場合も鉛筆を使いましょう!
コピックイラストで鉛筆を使う時は注意点があります。
鉛筆で描いた線の上にコピックペンを使うとその線は消しゴムで消えません。
コピックで塗る前に余分な線は消して輪郭線を整えておきましょう。
後で消したいけど目印として残したい線にはコピックがかぶらないように注意して塗る用にすると綺麗に仕上げることができます。
↓コピックマルチライナーについての記事はこちら
4.コピックで水彩風に塗るための3つのコツ
いよいよ塗りについてお話ししていきます。水彩風にイラストを塗るには3つのコツがあります。
4-1.薄めの色を使う
水彩風に塗りたい場合は薄めの色を使うようにしましょう。濃い色を使ってしまうと水彩らしい淡さやぼかしの効果が分かりにくくなってしまうからです。
使いたい色は使う前にいらない紙に試し描きをしてから使うようにすると安心です。
4-2.ぼかす
水彩らしさを出すためにはやはり1番ぼかすということが重要になってくると思います。
水分を含んだ絵の具同士が淡く混ざり合っているの様子はとても魅力的ですよね!
ぼかし方としては濃い方の色を塗ってから薄い方の色でぼかしても薄い方の色を下に塗ってから濃い色を重ねても綺麗にぼかすことができます。
4-3.手早く塗る
なるべく手早く塗るということも水彩風にイラストを塗る際のコツになります。
アルコール性のコピックは水性の水彩絵の具に比べて断然乾くのが早いです。
なのでぼかす時は先に塗った色のインクが乾かないうちに次の色を塗りましょう。
完全に乾いてしまってから上から色を重ねるとムラになってしまうので注意です。
ただ、手を止めて何分も放置しない限りは完全に乾いたりしないので慌てる必要はないです。
5.コピックで水彩風に塗ってみよう
では実際に水彩風にイラストを塗っていきます。
先ほど用紙の説明の時にご紹介したこの3つ葉のクローバーの塗り方を詳しくお伝えします!
使ったコピックはY00とYG05です。
↓まずYG05を少しふちに白を残したまま塗ります。
↓次にY00を上から塗ってぼかします。
↓Y00を色が塗ってないところまで広げて塗っていきます。
↓さらにY00を塗った上からYG05を塗ります。
↓少し濃くしたい部分にYG05を加筆します。
↓同じ様に他の葉っぱも塗っていきます。
時間を空けずに一気に塗りましょう。乾くと葉っぱ同士のつなぎめがムラになってしまいます。
*音が出ます!
6.その他ぼかしのテクニック
最後に綿棒を使ったぼかしの技法を紹介します。
用意するもの
・綿棒
・画用紙など厚めの絵を描くための用紙(コピー用紙など薄めの用紙はNG)
・無水エタノール(アルコールインクアート専用のものでOK)またはアルコール
・新聞など厚めで汚れても良い紙(イラストの用紙の下に敷きます)
・コピック2色以上
↓新聞など汚れても良い紙を下に敷いてからはじめます。まず濃い色を先に塗ります。
↓次に薄い色を濃い色にかぶせつつ広めに塗ります。
↓エタノール(またはアルコール)を染み込ませた綿棒で全体をトントンと押さえていきます。
↓完成
↓乾くとこうなります。
まとめ
コピックって本当に奥が深いですよね!
コピックはまだまだたくさんの可能性を秘めています。
このブログではそのたくさんの可能性を楽しくお伝えしていきます。
他の記事もぜひお絵描きの参考にしてみてくださいね!
ではまた別の記事でお会いしましょう。
↓コピックの別の可能性! アルコールインクアートの記事はこちら。