というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いたイラスト
冒頭の会話でもあったようにコピックでリアルな手を描きたいけれど、色選びや塗り方で迷っていませんか?
肌の質感や陰影を表現するのは難しそうに感じますが、実は基本の手順やちょっとしたコツを押さえるだけで、初心者でも驚くほどキレイに仕上げることができます。
このブログでは、コピックを使った手の塗り方をわかりやすく解説。カラー選びからグラデーションの作り方、失敗しにくいテクニックまで、丁寧に紹介します。
ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね!
1.コピックを使った手の塗り方の基本ステップ
1-1. 手の下描きから塗り始める準備方法
まずは手の形をしっかりと下描きしましょう。
鉛筆やシャーペンで描いた下描きは、薄めの線が理想的です。
濃い線だとコピックで塗る際ににじみやすくなるため、必要に応じて練り消しで薄く調整してください。(今回はメイキングの都合上デジタルで下書きをしています。)
次に、紙をコピックに適したスケッチ用紙やマーカー用紙に選ぶことが大切です。
紙の種類が適切でないと、色ムラやにじみの原因になります。また、使用する色を事前に決めてパレットを作ると、塗る際にスムーズです。
今回はコピー用紙を使っています。コピー用紙もコピックとは相性の良い用紙の1つです。
特に肌色は、ベースカラー・影・ハイライトを用意すると立体感を出しやすくなります。
↓コピックと相性の良い用紙についてはこちらの記事で。
1-2. コピックで基本の肌色を塗る手順
まずは肌のベースとなるカラーを全体に薄く塗ります。
肌色の基本はE000やE00など、明るく薄いトーンを選ぶと自然な仕上がりに。
塗る際は、線を引くように一方向で塗るとムラが少なくなります。
次に、指や手のひらの丸みを意識しながら、少し濃い色(例えばE11やE13)を使って陰影を加えます。
影を入れる場所は、指の間、関節部分、手のひらの凹凸に注目しましょう。
最後に、ブレンダー(0番)を使って色をぼかすと、境界がなじみやすくなります。
これだけで肌の基本的な質感が表現できます。
1-3. 失敗しにくいコピックの色の重ね方
色を重ねる際には、一度に濃い色を塗るのではなく、薄い色から順に塗り重ねるのがポイントです。
例えば、最初にE00を塗った後、E11やE13で影を入れ、再びE00で全体をぼかす方法がおすすめです。
この「戻り塗り」をすることで、自然なグラデーションができます。さらに、コピックを塗るときは紙が湿っている状態をキープすると、色がなじみやすくなります。
急いで塗りすぎると色ムラの原因になるため、適度なスピードで塗りましょう。また、最初から濃い色を使わないことで、修正がしやすくなるのもメリットです。
失敗しにくい方法として「薄い→濃い→薄い」の順で塗る癖をつけると、安定した仕上がりになります。
2. リアルな手を描くためのコピックカラー選び
2-1. 自然な肌色を再現するおすすめのカラーパレット
肌色をリアルに表現するには、複数の色を組み合わせたカラーパレットが重要です。
おすすめのベースカラーとして、E000やE00の薄いトーンが最適です。これに加え、少し濃いE11やE13を影用に使うことで立体感を出せます。
さらに、E21やE25など中間色を混ぜると深みが増します。これらの色を使う際は、最初にベースカラーを全体に塗り、影やアクセントカラーを段階的に重ねる方法がおすすめです。
また、手のひらや指先など部分ごとに色味を変えると、リアルな仕上がりになります。
練習時には、自分の肌色に近い色をパレットで試し塗りすると効果的です。
2-2. 血色感をプラスするピンクや赤系カラーの選び方
手に血色感を加えるには、適度なピンクや赤系のカラーを選ぶことがポイントです。
R20やR21など、淡いピンク系は自然な血色感を出すのに最適です。
指先や関節、手のひら中央など血が通った感じを表現したい部分に軽く乗せましょう。
さらに、RV42のような赤みのあるトーンを加えると、暖かみが強調されます。使う際は、ベースカラーになじませるようにブレンダーでぼかすと、人工的な仕上がりになりません。
また、血色感を出しすぎないように薄く何度か重ねるのがポイント。バランス良く色を乗せることで、リアルで健康的な手が描けます。
2-3. 影やハイライトに適したグレーや薄いトーンの活用法
手の立体感を際立たせるためには、影やハイライトの色選びが重要です。
影には、E70やE71などのグレイッシュなトーンが適しています。特に指の間や関節部分に軽く塗ることで、自然な陰影が生まれます。
一方、ハイライト部分にはブレンダーで色を薄くぼかすか、ホワイトペンを使って光を描き込む方法も効果的です。
ハイライトは指の関節や手の甲の高い部分に配置することで、手の丸みを引き立てます。
影とハイライトを適切に配置することで、リアリティのある手を仕上げることができます。
3. グラデーションで魅せる手の塗り方のコツ
3-1. グラデーションを作るためのおすすめカラー組み合わせ
手の塗りに適したグラデーションを作るには、なめらかに移行できるカラーの組み合わせを選びましょう。
例えば、肌色の基本となるE000やE00をベースに、E11やE13で影を作る組み合わせが効果的です。
さらに、血色感を出すためにR20やR21を加えるとリアルな表現ができます。指先や関節部分にはRV42をアクセントに使うと、色の深みが増します。
重要なのは、隣り合う色のトーンが自然につながること。
段階的な濃淡を意識することで、違和感のないグラデーションを実現できます。
パレットを事前に紙に試し塗りして、なじみやすい色を確認すると失敗が少なくなります。
3-2. コピックのペン先を使い分けたなじませ方
コピックのペン先にはブロード(太い先端)とブラシ(筆のような先端)がありますが、それぞれの特性を活かすことで、綺麗なグラデーションを作れます。
広い面を塗るときはブロードを使い、一方向にムラなく塗り広げるのがコツです。一方、ブラシペン先は細かい部分や境界線のぼかしに最適です。例えば、ベースカラーを塗った後、影色をブラシペンで軽く重ね、境界をなじませるように細かく動かすと自然なぼかしができます。
また、ブラシの力加減を調整して、濃淡をコントロールするのもポイントです。
使い分けを意識することで、スムーズなグラデーションが可能になります。
↓コピックの基本的な知識についての記事はこちら
3-3. 境界線を目立たなくするブレンダーの活用法
コピックのブレンダー(0番)は、グラデーション作りに欠かせないアイテムです。
色の境界線がはっきりしすぎた場合に、境界部分にブレンダーを塗り重ねることで、色が自然になじみます。
特に、影色とベースカラーの間をぼかすのに効果的です。使い方のポイントは、境界線を中心に軽くペンを動かし、少しずつ色を溶かすこと。
また、塗りすぎると紙がダメージを受けることがあるため、慎重に塗り進めるのが大切です。
さらに、ハイライト部分を明るくしたいときにもブレンダーを使うことで、色を薄めたり消したりして光を強調できます。
境界線を目立たなくすることで、プロ並みの仕上がりを目指せます。
4.実践! 手を描いてみよう!
↓最初にE00のブレードのペン先を使い手全体を塗っていきます。
↓ここからはブラシのペン先を使います。E13で1番濃い影を塗りながらE21でなじませ、さらにE00でなじませることでグラデーションを作っていきます。
↓爪や親指の下辺り、指先部分にR20で赤みを入れて0番でぼかします。
↓光の当たっている部分の色を0番でぼかします。
↓爪の先の影をE00で塗ってR20でなじませます。
↓完成!
*音が出ます。
↓今回使った線画イラストを無料でプレゼントします。こちらからダウンロードして自由にお使いください。
https://animalcopic.com/wp-content/uploads/2024/11/手-2-scaled.jpg
まとめ
コピックを使った手の塗り方ガイド、いかがでしたか?
自然な肌色を再現するカラー選びや、グラデーションを活かした立体感の出し方、境界線をなじませるテクニックなどを学べば、初心者でもリアルで魅力的な手を描くことができます。
特に、薄い色から濃い色を重ねる「戻り塗り」や、ブレンダーを使ったぼかしの技術は、失敗しにくく効果的な方法です。
練習を重ね、自分に合ったパレットや塗り方を見つけていきましょう。
コピックの特性を活かした塗り方をマスターすれば、イラストの表現力がぐっと広がります。
ぜひ今回の内容を参考に、あなただけの手描きアートを完成させてください!
↓人物キャラクターの肌の塗り方についての記事はこちら