というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いたイラスト
風景画と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
青い空と海?
山と川?
はたまた大都会のビル群でしょうか?
風景と一言で言っても様々な景色がイメージできますよね!
でもいざ風景画を描いたら…
何を描いた絵か良く分からなくなってしまった。
遠近感がチグハグでなんだかおかしい…
そもそもどこから描いたら良いか分からない…
ということはありませんか?
なので今回風景画の描き方についてとことん研究しました。
そしたら少しのコツで以前よりグッと描きやすくなることが分かりました。
さてそのコツとは? ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね!
目次
1.参考資料を用意しよう!
イラストを描くのに参考資料は必須です。
他のテーマについて書いた記事でもお伝えしていますが、参考資料は写真資料とイラスト資料の両方を用意していただきたいです。
写真資料は本物がどういう形や質感、色かを見るのに大切なものです。
そしてイラスト資料は作家さんがどのように本物をイラストにしているか、という描き方の参考に大切なものになります。
今回もその2点の資料を選んでいくのですが、いきなり風景イラストの参考資料といってもどんなものを選んだら良いか迷いますよね。
ここでは初めての風景イラストのための資料選びについてお話していきます。
1-1.どんな風景が描きたい?
まずは
どんな風景が描きたい?
です。
冒頭でもお話ししたように風景と一言で言っても
海や山などの自然。大都会のビル群、小さな街角など様々です。
「こういう風景が描きたい!」
というのが決まっているのならばぜひそれを描いてください。
心ときめくものを描くのがベストです!
そんなあなたも大丈夫です!
次は初心者さんでも描きやすい風景についてお伝えしていきますので、参考にしていただければと思います。
1-2.初心者さんでも描きやすい風景
初心者さんでも描きやすい風景とはズバリ!!
自然の風景
要素が少ない
色分けがしやすい
この3つのポイントをおさえた風景です。
まず都会の風景より自然の風景の方が描きやすいです。
都会の風景は建物を描くのが難しくつまずきやすいです。
次に要素が少ないことも描きやすい風景イラストのポイントの1つです。
ここでいう要素とは描く対象物のことです。
例えばAのイラストの中に人物、木、建物、自動車、電柱とあったら要素は5つあります。
それに対してBのイラストの中には海と空と山だけなら要素は3つとなり、Aのイラストより描く難易度は下がります。
描く要素が多いとそれだけそれぞれの要素のバランスを取らなくてはいけなかったり、描くのに時間がかかったりして挫折しやすくなります。
なので、初めて風景イラストを描く時は要素の少ない風景を選ぶことをおすすめします。
1-3.イラスト資料を選ぶ
イラスト資料を選ぶポイントは
自分が使う画材と同じものを使っているイラスト
自分が描きたい画風のイラスト
この2つです。
まずイラスト資料は自分が使おうとしている画材と同じもので描かれたイラストを選んでください。
今回はコピックを使うのでコピックで描かれたイラストということになります。
これは同じ画材を使っているイラストの方が参考になるからです。
例えばコピックイラストを描きたいのに参考資料を油絵のものを選んだらどうでしょう。
油絵を参考にコピックイラストを描くのは難しいですよね。
画材の性質が全然違うので、出せる色合いも筆のタッチも違いすぎるからです。
だからイラスト資料を選ぶときは使いたい画材で描かれたものを選ぶようにしましょう。
次に自分が描きたい画風のイラストを資料にすると良いです。
風景のイラストをネットなどで調べて、「あっ、このイラストいいな」
と思ったものが良いです。色使いや筆のタッチなど真似したいと思えるイラストを選んでください。
好きなイラストを参考にするとやる気もグッとアップします!
公開するイラストの参考にしたい場合はあくまで参考として、部分的に取り入れる程度でとどめておいてくださいね。
自分で写真を撮りに行ったり、コピックを持ってスケッチに出かけるのもおすすめです。
2.下絵を描こう
参考資料が準備できたら下絵を描いていきます。
ここでは下絵を描くための道具とバランスの良い下絵を描くためのコツをお伝えします。
2-1.鉛筆で薄く
下絵をいきなりコピックで描くと高確率で失敗します。鉛筆で下描きをしましょう。
使う鉛筆はBかHBがおすすめです。筆圧強めの人はHBが良いと思います。
2B以上の柔らかい鉛筆だと描いているうちに手などですれて画面が汚れる原因になりますし、コピックで塗った時ににじんで線が太くなりやすいです。
逆にH以上に硬い鉛筆だと紙にのりづらく、薄くて線が見えづらい場合があるのでコピックを使う時に塗り間違いが起こりやすくなります。
↓コピックと鉛筆の相性についての記事はこちら
2.2.おすすめの用紙
コピックで描く風景イラストにおすすめの用紙はズバリ!!
コピックで描く風景イラストの良い点はある程度色んな用紙に描けることだと思います。
水彩絵の具だと画用紙、水彩紙に限られますし油絵の具だとキャンバスが必要です。
でもコピックなら水彩紙でもコピック専用紙でもコピー用紙にも描くことができます。(キャンバスには描けないですけどね)
個人的にはコピック専用紙かコピー用紙が発色が良いのでおすすめです。
↓コピックに相性の良い用紙についての記事はこちら
2-3.全体を見ながらあたりをとる
では実際に風景イラストの下描きをしていきましょう!
風景イラストを描く時のコツは全体を見ながら描いていくことです。
海と山のイラストならまず海の大まかなあたりをとったら次に山の大まかなあたりをとる。
そして海に戻ってもう少し細かく描いて、山ももう少し細かく描いて、また海に戻る,,,といったような描き方をしていくとイラスト全体のバランスがとりやすいです。
3.色を塗ろう!
お待たせしました!ついに1番楽しいコピックで色を塗る時間です。
ここでは風景イラストの色の選び方と色の塗り方のポイントについてお伝えしていきます。
3-1.あると便利な色見本
色は参考写真を見ながら選んでいきます。
必ずしも写真の色に忠実でなくても良いのですが、色の濃淡や彩度のバランスを参考に選んでいきます。
その際にとっても便利なアイテムがあります。
それは色見本です。
色見本はいつも使っている用紙にコピックの色番号を書いてその色を塗ったものです。
↓コピック公式で販売されているコピックスウォッチカード
カラーチャートともいってアナログで自作しておくと色選びがすごく楽になります。
↓コピックカラーチャートについての記事はこちら
3-2.色の塗り方のコツ
色の塗り方のコツは3つのポイントがあります。
風景の遠いところから塗ること
薄い色から塗ること
全体を大まかに描いてから細かいところを描く
この3つです。
まず風景は遠いところから塗りましょう。
遠い景色から塗ることで自然と近い景色を上に塗り重ねることになるので、塗りやすくなります。
逆に遠い景色を後で塗ると近い景色の部分を避けて塗らなくてはならなくなるので、塗りづらいです。
そして色は薄い色から塗っていきます。
これはイラストを描く時の基本です。薄い色を重ねるようにして塗っていくことで、色の深みや重なりの美しさを出すことができます。
濃い色は最後の仕上げ、イラストにメリハリをつけるために使います。
最後のポイントは全体を大まかに描いてから細かいところを描くことです。
下描きのところでもお伝えしたように、海と山のイラストならまず海の大まかなあたりをとったら次に山の大まかなあたりをとる。
といったような塗り方をしていきます。
4.実践! 山と海の風景を描く
では実際に風景イラストを描いていきます。
今回は筆者が過去に旅行で訪れた場所の写真を参考資料にしました。
木々と海、空、砂浜、岩の比較的要素の少ない描きやすい風景です。
↓まずB00、B02、B04でグラデーションを作りながら空を描きます。その際、雲も描いていきます。
↓B41、B45で奥の山を描きます。
↓E41で砂浜を塗ります。フチの方をE43で塗ってE41でぼかします。
↓B41で海を塗ります。空との境目は0番でぼかしながら塗ります。一度全体が塗れたら、濃い部分を2度塗りし、B45で重ね塗りします。
2度塗りの部分は横にはらうように描きます。
↓海に木々が映っている部分をBG18で塗り、上からB45でなじませます。奥の山も同じようにBG18、B45を重ねます。
↓E41、E43、E44で岩を描きます。
↓G21、G00、G20で木々を点々と塗ります。
↓↑の上からG21を重ねます。(こうすることによって、木々の色合いに変化をつけることができます。)
↓BG18で濃い影の部分を塗ってG21でなじませます。
↓手前の木々も同じように塗って完成!
まとめ
今回は風景の描き方についてお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか。
冒頭でもお伝えしたように風景には様々なものがありますので、ぜひ色んなものを描いて楽しんでみてくださいね!
あなたのコピックライフが充実しものになるよう祈っています。
ではまた別の記事でお会いしましょう。