


というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いた作品

「コピックで金色を塗りたいけど、どうやって表現すればいいの?」と思ったことはありませんか?
実はコピックには本物の金属のように輝く“金色”のインクはありません。
でも大丈夫!Y28(ライオネットゴールド)をベースにした色の組み合わせと、少しの工夫でリアルな金属感が描けるんです。
本記事では初心者の方でも簡単に試せる「金色の塗り方」と「おすすめのカラー組み合わせ」をわかりやすく解説します。
あなたも今日からコピックで美しいゴールドを描いてみましょう!
目次
1. コピックで「金色」を作るってどうするの?基本の考え方

1-1. コピックには「金色」のインクがない理由
↓実はコピックには「Y28 ライオネットゴールド」という色があり、名前に“ゴールド”が入っています。
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この色はある漫画家さんの「金色に相当する色が欲しい」という要望に沿って2000年に発売されたものです。(コピック公式サイト引用)
しかし、Y28はメタリックインクではないため、金属のような光沢感は出ません。
コピックはすべてアルコールインクで構成されており、光を反射する成分(金属粉やパール顔料など)は含まれていないからです。
つまり、ペン先から出てくるのは“金色っぽい黄色〜黄土色”であり、リアルな金属の輝きを再現するには「色の組み合わせ」と「塗り方」で質感を演出する必要があります。
Y28はそのベース色としてとても便利なので、初心者にもおすすめです。
1-2. どんな色の組み合わせで金色が表現できる?
Y28(ライオネットゴールド)をベースに、中間色はYR23やE33で暖かみを、影色はE35やE44、W5で深みを加えると金属感が出ます。
E系は柔らかい印象、W系は渋いアンティーク調に仕上がります。白ペンでハイライトを足すとよりリアルな輝きに。
Y28を使わない場合、基本はイエロー系とブラウン系の組み合わせです。
明るい部分にY15(カドミウムイエロー)、中間色にYR24(ペールセピア)、影にE35(シャモア)などを使うと金属の温かみが出ます。
また、ウォームグレー(W系)を影に足すと深みが増し、よりリアルな金色に近づきます。
1-3. 光の当たり方で見え方が変わる金属の特徴
金属は光が強く当たる部分と影になる部分がハッキリ分かれます。
特に金色はハイライトが鋭いほど輝いて見えるので、白抜きや白ペンで光を表現すると効果的。
光源の位置を意識して、明暗のコントラストを強めにすると、より金属らしい質感になります。
2. 初心者でも失敗しにくい!金色風の色選びと組み合わせ

2-1. 金色っぽく見えるおすすめのコピック色番号
初心者でも扱いやすい組み合わせは「Y28(ライオネットゴールド)またはY15(カドミウムイエロー)、YR23(イエローオーカー)、E35(シャモア)またはE44(クレイ)」
さらに深みを足したい場合は「W3〜W5(ウォームグレー)」がおすすめ。
これらを使うだけで温かみのある金色が簡単に表現できます。
2-2. 王道!イエロー系×ブラウン系の組み合わせ
金色は明るいイエロー系が基調ですが、E33やE44などのブラウン系を加えることで立体感と重厚感が出ます。
明るい部分はイエロー、中間色はYR23、YR24などのオレンジ寄り、影はブラウン系と使い分けると自然なグラデーションになります。
イエローの明るさを残すのがポイントです。
2-3. 深みを出すためのグレー系・ウォーム系の活用法
仕上げにウォームグレー(W1〜W5)を重ねると、金属特有の陰影がつき、よりリアルな質感に。
冷たい印象を避けるため、グレーはクールグレーではなくウォーム系を選びましょう。また、影色として使えば「鈍い金属光沢」を演出できます。
↓グレー系の色について詳しい記事はこちら
3. コピックで金属感を表現する3つのコツ
3-1. ベースカラーと影色の選び方で金属感を作る
金色のベースには明るい黄色(Y15など)を選び、立体感を出すために中間色(YR23)と影色(E35やW3)を順に重ねます。
影色は塗りすぎず、部分的に使うのがコツ。
これで「面によって色が変わる金属」の質感が出ます。
3-2. ハイライトと光源を意識してツヤを出す
光源の位置を決め、そこに向かって明るい部分と暗い部分を配置します。
ハイライト部分は白を残すか、後から白ペンで描き入れると効果的。
光の反射を強調することでツヤっとした金属感が一気に高まります。
3-3. 境目をなじませるブレンディングのポイント
色の境目はカラーレスブレンダーや明るい色を使ってなじませましょう。
↓カラーレスブレンダー(0番)

特に明るい黄色で影と中間色をぼかすと、柔らかい光沢が表現できます。
初心者は少しずつ重ね塗りをして調整するのがおすすめです。
4.実践! 金色の王冠を塗ってみよう!
では実際に王冠を塗ってみましょう!
↓今回はこちらの王冠に色を塗っていきます。(線画はAIに作ってもらいました)
Step 1:ベースカラーを塗る(Y28)
↓王冠全体にY28(ライオネットゴールド)を塗ります。

ムラにならないよう同じ方向にペンを動かし、2度塗りでしっかり色を入れると◎。
ハイライト部分(光が当たる頂点やアーチの上側)は少し白を残すと後でツヤ感が出しやすいです。
Step 2:影色で深みを加える(E44)
↓王冠の裏側や装飾のくぼみ部分にE44(クレイ)で影を付けます。
さらに王冠の丸みを出すためにY28とE44でグラデーションを作ります。

Step 3:中間色で立体感を出す(YR23)
↓側面やアーチの内側、装飾の根本にYR23(イエローオーカー)を軽く重ねます。

ブレンディングはせず、Y28と自然になじむ程度に。
これで王冠に柔らかな陰影がつき、温かみのあるゴールドに近づきます。
Step 5:宝石を塗る
↓宝石をR24、R29、R39の順番でグラデーションを作りながら塗っていきます。

円を描くように塗ると宝石の自然な丸みが表現できるので◎
Step 4:仕上げのハイライト
↓白ペンやゲルペンで光の反射部分を描き入れると、より金属のツヤが際立ちます。
特にアーチの頂点や宝石の周りに入れるとリアルです。

↓完成!
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*音が出ます。
↓ホワイトのインクについての詳しい記事はこちら
まとめ
コピックで金色を表現するには、専用のメタリックインクがなくても大丈夫です。
Y28をベースにブラウン系やウォームグレーを重ねるだけで、立体感や金属特有のツヤが生まれます。
光源を意識してハイライトや影を入れると、よりリアルな仕上がりに。
初心者の方も少しずつ練習すれば、金属感のある美しいゴールドが描けるようになります。
ぜひ今回の色レシピやコツを試して、あなただけの“輝く金色”を描いてみてください!
↓金属の塗り方についての記事はこちら(銀色のスプーンのメイキング)