唐突ですが!
「あなたは透明感のあるイラストは好きですか?」
多くの人がYES!と答えると思います。
透明感って素敵な響きですよね〜。
よく透明感のある肌、透明感のある歌声など綺麗な質感や表現に対する褒め言葉に使われますが
透明感ってなんでしょう?
そんな風に改めて聞かれると…
「え? なんか……透明っぽい感じ?」(そのまんまじゃん!!)
と中々説明し難いものだと思います。
でも透明感あるイラストってなんかキラキラしてて憧れる!
というわけで今回は透明感のあるイラストの塗り方についてお話ししていきます。
最後まで楽しんでいってくださいね!
目次
1.透明感とは
ではそもそも透明感とはなんなの? というお話からです。
辞書で「透明感」という言葉を引いてみます。
色や材質が透明である感じ。また、文学作品などに表現された、透き通って明るい感じ。(広辞苑より抜粋)
色や材質が透明って……そのまんまですねー。
文学作品などに表現された透き通って明るい感じ!
この言葉がイラストにも当てはまるのでは? と思います。
そして、透明感のあると評されるイラストを見たり他の絵師さんの意見などを見つつ私なりの透明感の定義を決定しました。
それはズバリ!
「光が当たり空気に溶け込んでいるように見える様子」と今回は透明感を定義することにしました。
この定義を前提に透明感のあるイラストの塗り方について説明していきます。
2.透明感のある塗り方3つのポイント
2-1.線は弱く
主線はできる限り目立たないように描きましょう。
ポイントは
・細いペンを使う
・茶色系かグレー系のペンを使う
ペンはコピックマルチライナーを使います。
コピックマルチライナーの0.05mmか0.1mmで描きます。
0.03mmは小さく描くのでなければ細すぎて塗る時に見づらくなる可能性があります。
0.3mm以上だと線の太さが目立ってしまいます。
そして、色は茶色系のセピアかブラウン、グレー系のクールグレイかウォームグレイを使います。
黒では線が目立ちすぎてしまうので、明るい色味の茶色系の色、薄い色味のグレー系の色を使うと空気に溶けていくような透明感を出すことができます。
特に顔や手足といった肌の部分の主線にはセピアがおすすめです。
セピアはブラウンよりも明るいので肌の色になじみやすく光に溶け込んでいる感じも表現しやすいという理由です。
2-2.薄い色を使う
塗りに使うコピックの色は薄い色を使います。
濃い色を使ってしまうと重たくにごった感じになってしまい、明るく透明な感じとは反対になってしまいます。
薄い色を何回か重ねて塗っていくと良いです。
2-3.ぼかす
ここでも0番、カラーレスブレンダーは大活躍します。
光が当たって空気に溶け込んでるような演出をして透明感を出していきたいので
光が当たっているところは紙の白を生かしてそこに0番を塗ってぼかしながら色を塗っていきます。
光の当たっている部分と影の部分でグレデーションになるように塗っていきます。
3.実践! 透明感のある塗り方に挑戦!
では、実際に透明感のある塗り方にチャレンジしていきましょう!
今回はこのイラストを透明感のある仕上がりに変えていきます。
3-1.透明感のある線画
線画から説明していきます。
3つのポイントのところでお話しした通り主線は細く薄いコピックマルチライナーを使って描いていきます。
今回は顔と手の線にセピアの0.1mm、髪の毛にクールグレイの0.1mm、顔のパーツに0.03mmのブラックを使用しました。
目、鼻、口といった顔のパーツは見る人の視線が行きやすい大事なパーツで、ハッキリと見せたいのでブラックを使うことをおすすめします。
↑完成した線画です。
とーっても印象の薄いイマイチな線画になりました。
別の記事で良い線画とは何かについてお話ししていますが、これは線画としては良くない例です。
ですが、今回は線の印象をできる限り薄くしたいのでこれでOKです。
↓良い線画について解説した記事はこちら
3-2.透明感のある肌の塗り方
では、色を塗っていきます。
肌の色はベース色にE51、影色にE00を使いました。
肌の塗り方について説明をした別の記事ではE00をベースに使っていますが、
今回はより黄色味がかった明るめのE51をベースに選びました。
↓肌の塗り方についての記事はこちら
↑まず、顔のふちの方に0番を塗っていきます。
↑E51を0番を塗ったところに少しかぶせつつ紙の白を残して塗っていきます。
↑右の方も少し紙の白を残しつつ0番でぼかします。
首と手も同じように塗ります。
↑影の部分にベースと同じE51を塗り重ねていきます。
↑影で塗ったE51の上からさらにE00を塗り重ねます。
↑完成
3-3.透明感のある髪の毛の塗り方
透明感のある黒髪を塗っていきます。
使用した色はT2、T4、T6で別の記事の髪の毛の塗り方で使用した色よりもワントーン薄い色にしています。
↓髪の塗り方について解説した記事はこちら
↑左上から0番を広めに塗ります。
↑次にT2を塗り重ねます。
↑0番でぼかしつつT2を塗っていきます。
↑全体にT2が塗れたらT4を0番でぼかしつつ塗り重ねます。
↑最後にT6を0番でぼかしつつ塗り重ねます。
↑完成
3-4.透明感のある目の塗り方
使用した色はE33、E35、E29、Y02です。
↑0番を下から半分くらいのところまで塗ります。
↑E33を上から0番を塗ったところまで塗ります。
↑E33と0番の境界線あたりにY02を塗ります。
↑上の方にE35を重ねて0番でぼかします。
↑中心にE29で瞳を入れます。
↑上の方にE29を重ねて0番でぼかします。
↑ハイライトを0番で軽くたたくようにして抜きます。
↑完成
↑透明感を意識せず塗ったイラストと比べてどうでしょう?
光が当たり透き通った感じが出たかと思います。
まとめ
今回は透明感のある色の塗り方についてお話ししてきました。いかがでしたか?
少しでもあなたの理想のイラストに近づくお手伝いができたのなら嬉しいです。
でも、透明感! って人それぞれちょっとずつ感じ方が違って正解はありません。
ぜひあなたの透明感を楽しんで探してみてくださいね!
ではまた別の記事でお会いしましょう。