



というわけでコピック作家のAtsumiです。
↓コピックで描いた作品

コピックはイラスト制作やデザインの定番ツールですが、「キャンバスに使えるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、キャンバスの特徴からコピックの相性、実践的な塗り方のコツ、初心者におすすめの活用法まで徹底解説します。
キャンバスならではの魅力を活かして、あなたの作品に新しい表現を取り入れてみませんか?
目次
1. キャンバスの特徴
1-1. キャンバスの基本構造と素材の種類
キャンバスは、木製の枠に張った綿(コットン)や麻(リネン)の布で構成されています。コットンは価格が手頃で柔らかく、初心者にも扱いやすいのが特徴。
一方、リネンは繊維がしっかりしていて耐久性が高く、長期保存を想定したプロの作品に向いています。
1-2. 表面の質感と描画への影響
キャンバス特有の凹凸(テクスチャ)は、アクリルや油絵具なら豊かな表現を引き出しますが、コピックのようなマーカーではインクが凹凸に沿って広がり、細い線が歪んだりムラが生じたりする原因になります。
特に細密なイラストでは、ペン先が引っかかりやすいため注意が必要です。
なめらかな描き心地を求めるなら、ジェッソを塗り重ねた後にサンドペーパーで研磨するなどの下地調整が効果的です。
1-3. キャンバスに使える代表的な画材
一般的にキャンバスは油彩やアクリル絵具との相性が良く、豊かな発色と耐久性が期待できます。
水彩は吸収性の問題でにじみやすく不向きとされることが多いです。
コピックは本来紙用の画材ですが、キャンバスでも下地処理と仕上げを工夫すれば使用可能です。
特に装飾的なアートやカリグラフィー、ポップアートのような用途で効果を発揮します。
2. キャンバスとコピックの相性

2-1. コピックインクの特性とキャンバスの吸収性
コピックはアルコールベースのインクで速乾性に優れている一方、キャンバスでは繊維がインクをすぐ吸収してしまうため、紙に描くようななめらかなブレンドが難しくなります。
特に色を重ねるときは下層のインクが吸収されてしまい、思い通りのグラデーションが作れないことも。
そのため、キャンバスに描く際は一度に塗る面積を小さくし、乾く前に手早くぼかすテクニックが重要です。
2-2. 発色・ムラの出やすさを検証
キャンバスの表面は凹凸があるため、紙に比べると発色が落ち着いた印象になりがちです。
またインクが繊維に染み込むと、色が吸収される部分とそうでない部分の差がムラとして現れることがあります。
均一な色合いを出すには、同じ方向に塗る、薄い色から重ねるなど、塗り方に工夫が必要です。
2-3. 定着性・耐久性はどうか
キャンバスではアルコールインクが完全に乾いても、摩擦や湿気で色移りする可能性があります。
特に下地なしののキャンバスはインクの定着が弱いので、完成後はフィキサチーフやアクリルスプレーで表面を保護することが重要です。
こうした仕上げを施すことで、屋外展示や長期保存でも色あせや劣化を防げます。
3. キャンバスとその他コピックシリーズの相性
3-1. コピックマルチライナーとの相性
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コピックマルチライナーは耐アルコール性のインクで、コピック本体の上から描き足してもにじまないのが魅力です。
ただしキャンバスではペン先が布目に引っかかりやすく、線がかすれたり途切れたりすることがあります。
細字よりも太字のタイプを使い、描く方向を一定にすると比較的安定した線が引けます。

↓キャンバスにコピックマルチライナー

↓キャンバスにコピックマルチライナー(アクリル絵の具の下地あり)

コピックマルチライナーとキャンバスの相性:イマイチ
↓コピックマルチライナーについて詳しくはこちらの記事で
3-2. コピックアクレアとの相性
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コピックアクレアは水性顔料インクを採用しており、キャンバスでも比較的しっかり発色します。
アルコールインクよりにじみにくいので、細かい模様や文字入れ、ハイライト表現に便利です。
特に最後の仕上げでアクレアを使うと、作品に奥行きが生まれます。

↓キャンバスにコピックアクレア

↓キャンバスにコピックアクレア(アクリル絵の具の下地あり)

コピックアクレアとキャンバスの相性:良い
3-3. コピックオペークホワイトとの相性
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オペークホワイトは不透明な白インクで、キャンバスの凹凸部分にも乗りやすいです。
光沢感のあるハイライトや、細かい修正に役立ちます。
筆で塗布する場合は、適度にインクを含ませて優しくタッチするのがコツです。
↓キャンバスにコピックオペークホワイト 右キャンバスにコピックオペークホワイト(下地あり)
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コピックオペークホワイトとキャンバスの相性:良い
↓コピックオペークホワイトについて詳しくはこちらの記事で
4. キャンバスにコピックを塗るときの注意点とコツ
4-1. インクのにじみ・ムラを防ぐ方法
にじみやムラはキャンバスに直接コピックを塗ると起こりやすい問題です。
対策として、下地にジェッソを薄く塗り重ねて吸収を抑えるのが効果的です。
また、筆圧を一定に保ち、同じ方向に塗り進めるとムラが目立ちにくくなります。
大きな面積を一気に塗らず、少しずつ色を乗せるのもポイントです。
さらに塗布後に短時間乾燥させることで、インクの広がりが安定しやすくなります。
4-2. 下地処理の重要性とジェッソの使い方
ジェッソはキャンバスの繊維をコーティングして、インクの吸い込みを抑えます。
2~3回塗布して乾燥後、サンドペーパーで軽く研磨するとなめらかな下地が完成します。
こうすることでコピックの発色が良くなり、にじみも減少します。
ジェッソの厚みを均一にすることも重要で、塗りムラがあるとインクの定着に差が出るので丁寧な作業が求められます。




アクリル絵の具の白でも下地に使うことができます。
こちらも100均で売っているので手に入りやすいですし、イラストを描くときのハイライトや修正液としても使うことができます。
4-3. 仕上げの工夫で耐久性アップ
仕上げにはフィキサチーフやアクリルスプレーを使い、表面を保護しましょう。
これにより、摩擦や湿気による色落ちを防ぎ、作品の寿命が延びます。特に屋外展示を考えている場合はUVカットスプレーを併用すると安心です。
さらに防水スプレーを加えることで湿気にも強くなり、長期保存にも適した状態が作れます。
5. 初心者でもできる!キャンバス×コピックの活用アイデア
5-1. ミニキャンバスで練習しよう
初めてキャンバスにコピックを使うなら、ハガキサイズや手のひらサイズのミニキャンバスが最適です。
小さい面積ならムラが出にくく、気軽に試せます。
さらに失敗してもやり直しがしやすいため、初心者には特におすすめです。
練習を重ねることで、インクの扱い方や色の重ね方に慣れていくでしょう。
数枚のミニキャンバスを使って色見本を作るのも良い方法です。
5-2. グラデーションやブレンディングのコツ
キャンバスではアルコールインクのブレンドが難しいですが、カラーレスブレンダーを使うと柔らかい色の境界が作れます。
また、複数の色を隣接させて塗り、乾く前に素早く馴染ませるのも効果的です。
さらに、下地処理をなめらかにすることでインクの広がりが安定し、自然なグラデーションが作りやすくなります。
何度か重ね塗りしても色が沈まないよう、薄塗りを心がけましょう。
5-3. コピックアクレアの活用例
線画はアクレア、塗りはコピックを組み合わせると、メリハリのある仕上がりになります。
特に文字アートやイラスト入りメッセージボードなど、カジュアルな作品におすすめです。
さらにアクレアは発色が良く、重ね塗りしてもにじみにくいため塗りや細かい装飾にも適しています。
↓コピックアクレアの使い方について詳しくはこちらの記事で
6.キャンバスアートを作ってみよう!
今回は10cm×10cmのキャンバスにコピックとコピックアクレア、コピックオペークホワイトでイラストを描いていきます。
↓こちらのキャンバスを使いました。
【2組セット】ファーストアート キャンバス 10cm ミニキャンバス 張りキャンバス 赤ちゃん 10*10cm 装飾 絵画 水彩画 油絵 正方形 画材 油絵10*10cm ミニサイズ イーゼル付き 水彩絵 アクリル絵 フィンガーアート ミニ キャンバスセット キャンバスボード 絵画ボード 油彩
ちなみにキャンバスに鉛筆で描くと消しゴムで消すことができません。なので下描き無しの一発描きです。
別の紙にざっくりとでもイラストの案を描いておくと安心です。
↓キャンバスにアクリル絵の具で下地を塗ります。(ジェッソでもOK!)

↓コピックアクレアのリーフグリーンで紫陽花の葉っぱを描きます。グリーンが乾いたらスノーホワイトで葉脈を描きこみます。

↓RV11、V15、B23で紫陽花の花を描いていきます。

外側から丸く描いていくと紫陽花らしい丸みのある形に描けます。
↓コピックアクレアのリーフグリーン、トマトレッド、レモンイエローで虹を描きます。(虹が太くなり過ぎないようにあえて3色で描いています。色の組み合わせはお好みでOK)

↓最後にコピックオペークホワイトで紫陽花にハイライトをのせていきます。(コピックアクレアのスノーホワイトを使ってもOK)

↓完成!
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まとめ
コピックは紙専用と思われがちですが、キャンバスでも十分楽しめる画材です。
下地処理や塗り方を工夫し、仕上げに保護スプレーを使うことで、ムラやにじみを防ぎ、美しい作品を長持ちさせられます。
初心者の方は小さなキャンバスから始め、徐々に大きな作品に挑戦してみましょう。
キャンバスならではの新しい表現が、あなたのアートをさらに広げてくれるはずです。