↑コピックと水彩とデジタルのミックスイラスト
というわけでコピック作家のAtsumiです。
コピックは他の色々な画材と併用ができるのが魅力の一つでもあります。
中でも水彩絵の具はコピックの手の届かないところに手が届くとっても便利な画材です。
また、コピックでは出にくい微妙な色彩や質感を表現することもできます。
コピックと水彩双方の良いとこ取りで素敵なイラストを一緒に描いていきましょう!
目次
1.コピックと水彩
1-1.コピックと水彩は相性OK!
コピックと水彩はとても相性の良い画材といえます。
アルコール性インクのコピックと水性の水彩絵の具は全く性質が異なるため、お互いの欠点を補い長所を引き立て合うことができます。
例えば、冒頭でお話ししたように広範囲と細かいところは水彩絵の具で描くと便利です。
またコピックの上に水彩を塗ることで微妙な色合いを表現することができます。
1-2.コピックを下、水彩を上に塗る
コピックと水彩を同じところに使いたい場合、コピックを下に塗ってその上から水彩を塗るのがおすすめです。
水彩の上にコピックを塗っても良いのですが、コピックが水彩を溶かしてしまいます。
1-3.コピックと水彩色鉛筆
水彩というと水彩色鉛筆もコピックと併用するのに相性が良いです。
水彩色鉛筆は描いた上から水をのせると顔料がとけて水彩のような表現ができる色鉛筆です。
外でスケッチをしに行く時なんかに便利な画材です。
その水彩色鉛筆をコピックの上に塗り水をのせることで水彩と同じような効果が得られます。
水彩絵の具と1つ違う点は水彩色鉛筆は色鉛筆の描いた跡を残す表現が可能なので、あえて色鉛筆のタッチを残しても面白いと思います。
2.コピックイラストでの水彩活用ポイント
コピックイラストでの水彩活用ポイントは3つあります。
広範囲、背景、細かいところ、です。
2-1.広範囲
まず、コピックは広範囲を塗るのには向いていない画材です。
と言うのは1つにコピックはニブ(筆先)の大きさが決まっているので、塗る場所に合わせて筆を大きくしたり小さくしたりすることができないからです。
また、アルコールインクの性質上ムラになりやすいので広範囲をムラなく塗るということがしにくいです。
広範囲でもムラを少なく塗るテクニックはあるのですが、やはり限界はあります。
そんな時に活躍するのが水彩絵の具です。
水彩絵の具で広範囲を塗る時は不透明水彩のチューブに入ったものを選ぶようにしましょう!
*水彩絵の具には不透明水彩と透明水彩があります。
透明水彩は入っている顔料が少なく、下地が透けて見えやすいのと筆跡が残りやすいという特徴があります。それに対して不透明水彩は顔料が多く、下地をしっかりと隠すことができます。
なので、広範囲をペッタリとムラなく塗りたい場合は不透明水彩が向いているのでおすすめです。
また、固形タイプの水彩絵の具は固形の絵の具を筆についた水で溶かしながら使うため、一定量の絵の具を筆につけるということができず広範囲を塗るということに不向きです。
広範囲に絵の具を塗りたい時はチューブ入りの絵の具を選ぶようにしましょう!
チューブ入りの不透明水彩が準備できたら、パレットに多めに絵の具を入れて(途中で足さなくても良いくらい)一気に塗っていきましょう。
↓コピックで広範囲を塗る時のコツはこちらのブログで
2-2.背景
次に背景も水彩で塗るのに向いているところです。
背景は広範囲になりやすいので、広範囲を塗るのと少々かぶるのですが背景を水彩で描くことはムラなく広範囲を塗ること以外のメリットがあります。
それは手前に主役として描いたものとのメリハリをつけられるということです。
コピックは発色が良く、色鮮やかな表現に向いています。それに対して水彩はふんわりとした優しい雰囲気や透明感を出すのに向いている画材です。
なので手前の主役をコピックではっきりと奥の背景は水彩でふんわりと描くことで、一層主役が引き立つメリハリの効いたイラストに仕上げることができます。
2-3.細かい部分
水彩は広範囲を塗るのに向いてると先に書きましたが、逆に細かいところを描くのにも向いています。
水彩絵の具では穂先が直径で1mm程度の筆もあるのでかなり細かいところまで描けますし、水を少なくとけばコピックのように色が広がることもありません。
同じ理由で細い線を引きたい時にも水彩は便利です。
3.実践!コピックイラストに水彩を使ってみよう!
ここでは実際にコピックと水彩絵の具を併用してイラストを描いた体験をレポートしていきたいと思います。
コピック用紙は専用紙かコピー用紙に描くことが多いですが、それらの用紙だと水彩を塗った時に絵の具があまり染み込まず用紙がシワになってしまします。
画用紙や水彩紙でも水彩絵の具を使ったところから用紙が反ることがあるので、気になる場合は水張りをしましょう!
「水張りって何?」っていう方はぜひ「水張り」で検索してみてくださいね。 便利なサイトが色々出てきますよ!
さて、今回のイラストで水彩絵の具を使用した箇所は3つです。
1.背景
2.細い線
3.細かい部分
今回はその3つのポイントをピックアップしてお伝えしていきます。
3-1.背景
1番はじめに背景に水彩を使用しました。
↓使用方法は先にコピックのRV13、RV02、RV10の順番で上からグラデーションをかけて、
↓その上に青の固形透明水彩で色塗りをしました。
夜初めの方の空を表現したかったのですが、暗くしすぎたくなく華やかさも出したかったので下地にピンクを選びました。
成功した点
コピックの上に水彩を重ねることで、2つの画材が混ざることなくキレイな色合いが出せたと思います。
失敗した点
オレンジの線で囲ったところと苺やエゾモモちゃんにかかったところを避けて塗ったためにそのあたりがムラになってしまいました。
マスキングテープを使うべきだったと反省しました。
マスキングテープを使うことではみ出しを気にする事なく塗ることができ、ムラになりにくくすることが可能です。
↓マスキングテープの詳しい使い方はこちらのブログでお伝えしています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
*音が出ます
3-2.細い線
次にスポンジケーキのふちの茶色の線を水彩絵の具で引きました。
はじめは頑張ってコピックのE11で引いたのですが…
↓にじんで太くなってしまいました!(ちなみにスポンジケーキは苺のぞいて3.5cm×3cm…無謀でした!)
↓固形水彩絵の具を使って引きました(キレイにできました)
3-3.細かい部分
最後は細かい部分です
ティーカップの中の紅茶をオレンジの水彩絵の具で表現しました。
6mm程度の細かさなので、コピックではみ出さずに塗るのは至難の技です!
↓細い筆に水彩絵の具を少しとって水分少なめに塗ります。
まとめ
今回はコピックと水彩絵の具の併用というテーマでお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか。
コピックだけで描いている時に上手くいかない部分はどうしても出てくると思います。
でも少し視点を変えて別の画材を取り入れてみるとすんなり解決してしまうこともあります。
そうして別の画材を使ってみた時に新たな発見があって、さらにあなたのイラストの可能性は広がっていきます。
ワクワクしますね!
あなたのお絵描きライフがもっと充実したものになりますよう願ってます。
ではまた別の記事でお会いしましょう。